デビュー直後のスミスとコラボレーションしたサンディー・ショウ (1983)

サンディー・ショウは1947年生まれのイギリスの女性シンガーです。1964年のデビューした年に、バート・バカラック&ハル・デヴィッドのコンビが書いた「(There’s) Always Something There to Remind Me」でUKチャートでNo. 1に輝きます。

その後も「Girl Don’t Come」、「I’ll Stop at Nothing」、「Long Live Love」などヒットを飛ばし、人気歌手としての地位を確立します。ステージ上では靴を脱いで歌っていたため、裸足が彼女のトレードマークでした。

その後も歌手としてだけでなく、映画出演、TV番組のホスト、ファッションブランドの立ち上げなど目覚ましい活躍を見せます。しかし70年代に入るとその勢いは衰えていき、72年にポップシンガーをリタイア。ミュージカルのプロデュース、作曲活動、絵本製作などをしていましたが、やがて活動をストップし、ロンドンのレストランでウェイトレスとして働いていたそうです。

彼女に次の転機が訪れたのは83年です。「サンディ伝説はまだ終わっちゃいない!」と二人のサンディー・ショウ・オタが現れます。それが、同年「Hand in Glove」でデビューし、「This Charming Man」、「What Difference Does It Make?」などシングルヒットを飛ばしていた若手バンド、スミスのモリッシーとジョニー・マーでした。

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モリッシーとマーは、他人に自分たちの曲をカバーしてもらい、ソングライターとして認知されたいという野心を抱いていました。1983年の夏、マーとモリッシーは、元々彼女に歌ってもらうことを想定して書いた曲「I Don’t Owe You Anything」のカバーをショウに持ち掛けるため、デモテープと数枚の手紙を送ります。しかし当初ショウは懐疑的でした。スミスの曲「Reel Around the Fountain」や「Handsome Devil」、「The Hand That Rocks the Cradle」といった曲が、ペドフィリアをテーマにしているとタブロイド紙に批判されていたためです。(モリッシーは否定しています。)また「Hand in Glove」のシングルには裸の男性の後ろ姿の写真がジャケットに使われていたので、彼女は夫に「彼ら裸の男の写真を送ってきたわ!しかもお尻丸出しの!」と声を上げたそうです。

しかしスミスのレーベルであるラフ・トレード・レコードの代表、ジェフ・トラヴィスはショウの夫と知り合いだったこともあり、彼が仲介役として入ります。さらにはプレスでモリッシーが彼女を称賛したことで、ついに彼女の信頼を勝ち取ります。1984年1月、ショウとスミスのコラボレーション「I Don’t Owe You Anything」がラフ・トレードからシングルリリースされることがNMEよりアナウンスされます。2月、ショウとスミスはロンドンのマトリックス・スタジオで3曲を録音します。「Hand in Glove」はDマイナーのキーで演奏され、マーはイントロのリフのアクセントをメジャースケールで弾き、さらにショウは歌詞の一部を変更して歌いました。ショウは「Hand in Glove」をシングルのA面として選び、「I Don’t Owe You Anything」はB面に収録されることに。(同時に録音された「Jeane」はその後CDのボーナストラックとして収録されます。)ジャケットは、シーラ・ディレーニー作、同名の舞台の映画『蜜の味』より、女優リタ・トゥシンハムの写真が使われました。彼女はSmithsのシングル「Girlfriend in a Coma」、アルバム『Louder Than Bombs』のジャケットにも登場しています。

シングルは1984年4月、サンディー・ショウ単独の名義でリリースされ、UKチャート27位と彼女の10年ぶりのヒット作となりました。スミスの楽器隊、ジョニー・マー、アンディ・ルーク、マイク・ジョイスは彼女の「当て振り」バックバンドとしてテレビに2度出演しています。最初は1984年3月、チャンネル4の『Earsay』。それから4月26日の『Top of the Pops』では、ショウが60年代によく素足でパフォーマンスをしていたことへのオマージュとして、バンドメンバー全員裸足で出演しました。

1988年には、(83年に発売された過去曲+一部新録のコンピレーション作品を除けば)実に19年ぶりのサンディー・ショウのオリジナルアルバム『Hello Angel』がラフ・トレードからリリースされました。(タイトルはモリッシーからのポストカードにインスパイアされた)。オリジナル盤には「Hand in Glove」の他、作詞モリッシー、作曲スティーヴン・ストリート(Smiths、モリッシーソロ、Blur、Cranberriesなどのプロデューサー)のヒットシングル「Please Help the Cause Against Loneliness」が収録されています。CD盤のボーナストラックには「Jeane」「I Don’t Owe You Anything」も収録されてますね。

参照

Wikipedia: Sandie Shaw

Wikipedia: Hello Angel

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