コーパス・グラインダーズ(Co/SS/gZ, Copass Grinderz)インタビュー (1994)

コーパス・グラインダーズ(Copass Grinderz、Co/SS/gZ)は1988年に結成された日本のバンドです。1999年解散、2015年再結成。詳しいバンドのプロフィールはググっていただくとして。以下はアメリカのジン、Maximum Rock’n’Roll の1994年7月号(#134)に掲載されたインタビューの和訳になります。(Pussy Surfersさんより資料提供いただきました。Thanks!)

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Copass Grinderz… ゼロ –Vocals / guitar、ヨー –guitar、ユキオ –guitar、アグネス –drums。彼らは93年、R.B.F. InternationalのレーベルメイトであるBloodthirsty Butchersと共に西海岸ツアーを敢行し、それ以前にPusmortよりリリースも行っている。ライブで彼らは圧倒的な存在感を示す。ギターを繰り返し額に打ち付けてそこら中血だらけになるゼロのパフォーマンス含め、とんでもない熱量だ。本インタビューにはアグネスを除いたメンバー3人が出席し、その他、R.B.F. Internationalのニッシー、バンドのレーベル責任者、マネージャー、その他のナイスな面々がその場に居合わせ、通訳のヘルプやアドバイスをしてくれた。本インタビューはデヴォン・モーフとナオミ・ヒラカワによるものである。

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―コーパス・グラインダーズはいつ始まったんですか?

ゼロ:88年。

―今までリリースした作品は何枚くらい?

ヨー:パスモート1のコンピに一曲2と、ゼニゲバ、ルインズとかとのコンピ3にも…

―どうやってパスヘッド4が7インチの話を持って来たんですか?

ユキオ:3年前に元コーパスのベーシストがパスヘッドにテープを送って、それで彼がリリースが決めた。

―R.B.F. からフルアルバムを出す予定は?

ニッシー:出せるといいんですけど。多分4月か5月にアメリカでリリースの予定もあって。

―それはKレコーズ5から?

ニッシー:はい、ブッチャーズとの7インチスプリットを。多分4月に。6

―カルヴィン7からKレコーズからのリリース話を持ち掛けられた時、驚きませんでしたか?Kはソフトな音のバンドが多いですから。コーパスもブラッドサースティもずっとヘヴィな音ですよね…。

ニッシー:彼らはあんまりKレコーズのこと知らないんですよ…

ゼロ:でも俺はビート・ハプニング8好きだよ。カルヴィン・ジョンソンは変な奴で、でも俺らみんなカルヴィンのこと好きだよ。

ヨー:前回のツアーでオリンピアに行って、カルヴィンの家を出る時にはすごくいい友達同士になれたよ。本当に。

―それってゼロがKのタトゥーを入れた時?

ゼロ:(ロケット・フロム・ザ・クリプト9のタトゥーを指さす)カルビンが俺のロケットタトゥーを見て、Kのタトゥーを入れるための金をくれたんだよ。だからビートハプニングのライブはいつでもタダで観れた。ぜひ日本で彼らのライブを観たいね。

―ビート・ハプニングとコーパス・グラインダーズのジョイントツアーを日本で行う予定は?

ニッシー:どうでしょう。できたらいいですね。

―今アメリカツアーの感触はどんな感じですか?傍から見るに良い事も悪い事も色々と起こってるようですが。バンドとしてはどんな気分でしょうか?

ゼロ:Good。色んな所を回ったよ。

ユキオ:オーディエンスがよかった。また来たいね。

ニッシー:次の夏ごろにまた来れたらと思ってます。今回のツアーは今後に向けたその第一歩という感じですね。

―たくさんの人がコーパス・グラインダーズのバンド名の意味を知りたがっていますが…。

ゼロ:『Corpse Grinders』っていうタイトルの映画があったんだよ10。それと同じ名前のニューヨークのバンドもあって。だから俺らは『Cop-Ass』って名乗るべきだと思ったんだ。

―日本ではかなり大きいイベントでも何度か演奏されてましたよね?

ニッシー:はい、マッドハニー11とも共演しましたよ。

ユキオ:コップ・シュート・コップ12

ゼロ:ヤング・フレッシュ・フェローズ13、ジェフ・ダール14、ロケット・フロム・ザ・クリプト。

―なぜ2ギター×1ベースから、3ギターに変えたんですか?

ゼロ:2年前にコーパスは解散したんだよ。

ニッシー:ベーシストとドラマーが抜けて、新しいドラマーのアグネスが入ったんです。最初ユキオはベースを弾いてたんですが、ロケット・フロム・ザ・クリプトと共演した時に、彼らのギタリストが「君はギターを弾かなきゃダメだ!3ギターなんてめちゃくちゃクールじゃないか!」って言ったんですよ。

―バンドは色んなスタイルが融合しているように聴こえますよね。音響システムによっては、マッドハニーにも、MC5にも、デスメタルにも聴こえます。どんな音楽に影響を受けているんですか?

ゼロ:俺の一番好きなバンドはSPK15だね。SPKはクールだよ。プッシー・ガロア16、MC5、マッドハニーの『スーパーファズ・ビッグマフ』。あのアルバムは狂ったMC5みたいでさ、変な音なんだよ。それが好きなんだよね。今のマッドハニーはクソだけど。今の奴らは金のためにやってるだけ。

―ゼロ、ステージ上でけがしたことはないんですか?病院に運ばれたとか、そういうことは今までなかったんですか?

ゼロ:ない。でも鼻の骨を折ったのと、手と膝を怪我したことはある。

―だから膝パッドしてるんですか?

ゼロ:いや、膝はスケートしてて怪我した。今はもう膝でギターぶっ壊せるよ。

―ヨー、コーパスとブッチャーズ両方で演奏するのは大変じゃないですか?手間がかかりますよね?

ヨー:働きながら二つのバンドやってるわけだからね、もっと時間が欲しいよ。一日は24時間でしょ、30時間くらいは欲しいね(笑)。寝る暇もないんだよ!

ニッシー:彼は両バンドともすごく好きなんですよ。

―バンド同士競い合ったり、複雑な関係があったりするんですか?

ヨー:俺らみんな友達だよ。何の問題もないよ。

―次回アメリカツアーを行う際は、もっと大きな規模になるんですか?それとも西海岸だけ?

ニッシー:アメリカ中でライブ出来たらいいと思ってます。

―日本では今までどこでライブしましたか?

ユキオ:東京、名古屋、大阪。

ゼロ:名古屋が大好きなんだよね。狂った野郎共の街だよ。

ニッシー:名古屋にはコーパス・グラインダーズ・アーミーがいるんですよ。僕らみんな彼らのことが好きで。

ヨー:あそこに狂ったやつが5人いて。すごくいいやつらだよ。

―どうやってスティーヴ・アルビニと共演することになったんですか(笑)?

ゼロ:ファックアルビニ。2年前あいつアメリカの音楽シーンは衰退したとかぬかしやがったんだよ、自分がバンドやってなかったって理由だけで。多分あいつはシーンがクソだったら、自分がプレイしてシーンをよくしようとか思ってるんだろうよ。

―彼はなんで日本に来たんですか?

ユキオ:ゼニゲバが呼んだんだよ。

―彼はコーパスをどうやって知ったんですか?

ユキオ:知らない。多分ゼニゲバが俺らを紹介したんじゃないかな。

ゼロ:あいつ金のためだけにニルヴァーナをプロデュースしただろ。ふざけんなよ。

ニッシー:以前、金儲けのためにバンドをプロデュースしたりしないとか言ってたけど、ニルヴァーナのプロデュースは金目当てだよね。

―最後の質問です。何か言いたいことはありますか?

ヨー:I Love Bloodthirsty Butchers。

ユキオ:ライブアルバムをそろそろリリースします。

ニッシー:スタジオ盤もです。

ゼロ:夏にブッチャーズとアメリカに戻る予定。貯金のために働いてます。働いて寝て働いて寝て。


コーパスは94年7月、ワシントン州オリンピアで開催されたフェス・Yoyo A Go Goに出演しました17。ライブの模様はコンピレーション・アルバム『Yoyo A Go Go』に収録されてます。

海外の声を探していたら。コーパスのアルバム『Krash!』に対する怪しい海外リスナーのレビューを見つけたので、一部抜粋し、勝手に翻訳して紹介しようと思います。


…日本で一般的に流行しているカルチャーは、欧米世界に住む我々白人にはストレンジである。そして欧米人である俺たちにとって日本の音楽がとてもエキゾチックに聴こえるのは、恐らくそれが理由だろう。コーパス・グラインダーズは、1994年あたりのアメリカ中西部からママ・ティック18やヘアリー・パット・バンド19あたりと一緒にプレイしていてもおかしくない感じで、彼らの音楽はまったく異種のものだというわけじゃない。しかし、彼らのサウンドは少しズレており、それこそが日本のモノなのだ。人で溢れかえっているあの国で起こっている何か。それが日本のミュージシャンの脳みそを歪めて、西洋の音楽から得たものを、東洋独自のものに変えて吐き返す。ゼニゲヴァのデス/インダストリアル・メタルにおける正確性を考えてみてくれ。メルトバナナのグラインドコアにおけるイカれたノイズを考えてみてくれ。ほら、違うんだ。コーパス・グラインダーズはアメリカン・ノイズ・ロックを(SONY製?の)カルチャーのミキサーにぶち込んで、ガチガチにロックしているゲロを吐く。厚ぼったい粘々した泥濘の時もあれば、悪ふざけの一撃の時もあれば、クラシック・ロック傾向のサウンドを繰り返す時もある。そして、インディーロックに方向転換する時もある。それが何であれ、いつだって「正しい」ように見えるんだ。だから、実はめちゃめちゃストレンジなのはアメリカの方で、日本は完全に普通なのかもしれない。多分…でも俺はフグを一度も食ったことないから、ジャッジするのに相応しい人物じゃないだろう…


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脚注

  1. Pusmort Records: 1984年にイラストレーターのパスヘッドによって設立されたサン・フランシスコのパンク・ハードコアレーベル
  2. 1991年の『Pusmort View』。コーパスは1曲目に「Monster Zoo」(COBRA)収録。余談ですが2曲目はロケット・フロム・ザ・クリプトの「Cut It Loose」で、後に出た日本バンドによるRFTCトリビュート盤『TRIBUTE TO ROCKET FROM THE CRYPT-A CASE OF RFTC JUNKIES』ではブッチャーズが同曲をカバーしてます。
  3. 1992年の「Dead Tech 3: New Japanese Music」。コーパスは「Mongoose, I Kill Cobra」(MONGOOSE)収録。
  4. メタリカ、ミスフィッツなど、ハードコアやメタルバンドのアートワークを多く手掛けるイラストレーター。上記パスモート・レコーズの他、その傘下のバクテリアサワー(Bacteria Sour)の設立者でもある。
  5. オリンピアのインディー・レーベル。
  6. アメリカ録音で1994年7月リリース。コーパスは「OGRE」、ブッチャーズは「SILENCER」収録。
  7. カルヴィン・ジョンソン(Calvin Johnson)。Kレコーズ代表。
  8. Beat Happening: カルヴィン・ジョンソン率いる1982年結成のローファイバンド。
  9. Rocket From The Crypt: 1989年結成のカリフォルニア、サンディエゴのバンド。コーパスとはレーベルメイトでもあり親交が深い。ちなみに1993年の来日時には4日間ライブを行い、当時の対バンが2/11⇒ビヨンズ&ゴッツ・ガッツ、2/12⇒ヴォリューム・ディーラーズ&ココバット、2/13⇒コーパス&ブッチャーズ(以上3日間@新宿ロフト)、2/15⇒コンクリート・オクトパス&ライズ・フロム・ザ・デッド(@大阪ミューズホール)というそうそうたるメンツで吐きそう。
  10. 1971年のB級ホラー映画。邦題は『人間ミンチ』。
  11. Mudhoney: 1988年結成のシアトルのバンド。いわゆるグランジの先駆者的バンド。
  12. Cop Shoot Cop: 1987年結成のニューヨークのバンド。インダストリアル・ロックに分類されるそうです。
  13. Young Fresh Fellows: 1981年結成のシアトルのバンド。1983年デビュー。
  14. Jeff Dahl: ドイツ出身のアメリカ人ミュージシャン。77年「Rock N Roll Critic」でデビュー。
  15. 1987年に結成された、オーストラリアのノイズ・インダストリアル・バンド。
  16. ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンのジョンスぺがかつて在籍していた、1985年結成のワシントンD.C. のガレージ・ロック・バンド。
  17. 7月12日~16日の5日間にわたって開催。共演はBeck、ビキニ・キル(Bikini Kill)など。日本からはブッチャーズも参加。当時10歳だったサイモン・ティモニーのバンド、スティンキー・パフス(Stinky Puffs)には、クリス・ノヴォセリックとデイヴ・グロールが参加、カート・コバーン死後の初共演となり話題になった。
  18. Mama Tick
  19. The Hairy Patt Band
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