スティーヴ・アルビニ マーク・リボーへの返信その1 (2015)

2015年、シカゴのエレクトリカルオーディオ代表、スティーヴ・アルビニと、ギタリストのマーク・リボーが著作権について互いの意見をぶつけ合いました。当時の発言内容を翻訳して紹介しています。

前回、billboard誌に掲載されたアルビニの発言に対して、リボーがオープンレターを公開しました。

Marc Ribot (@marcribotmusic) has written Steve Albini an irate open ...

リボーからオープンレターを受け取ったアルビニは、リボーが所属するC3のFacebookページに返事を書きました。以下はその和訳です。現在C3のFacebookページは閉鎖されており見ることができません。Gearslutz.comというサイトの掲示板にこのやりとりに関するスレッドが当時立てられて、アルビニ本人が直接掲示板に本文をコピペして投稿しており、現在も閲覧可能です。こちらから。

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スティーヴ・アルビニです。自分が言いたかったのは(言いたいのは)、音楽が一度リリースされればオーディエンスは自然にそれをシェアするということ。それに対してできることはあまりないということ。そして、それは概して良いことであるということ。人はそんな風に音楽を聴く。2日前に自分のバンドがライブを行ったイスタンブールのクラブ、そして今晩テッサロニキ1で演奏した会場に満員の人が集まってくれたのも、そのおかげだ。現在彼らは自分たちのバンドを好いてくれていて、今後ライブを観に来てくれたり、レコードを買ってくれたり、主に自分たちの活動を価値あるものにしてくれることで、サポートをしてくれるようになる。彼らが自分たちの音楽を耳にしないよう防止策を講じるべきだったとは思わないし、なによりインターネットのおかげで自分たちの音楽を好きになったのだから、自分に金銭が支払われるべきだ、とは決して思わない。

インターネットがそうする以前、人は互いにミックステープを作り合ったり、レコードを貸し借りし合っていた。今はずっと効率的であるというだけで、それを推進するサイトもある。悪意があるわけではない。人が音楽を聴き、他人にそれを薦めているというだけだ。

インターネットで誰かが自分の作品を見つけたために、自分に(誰かに)その対価が支払われるべきだという主張は、馬鹿げていると思う。ネット上で発掘されるものは限りなく存在する。古い新聞の切り抜き、猫の動画、エロ画像、保存された掲示板のスレ、過去のライブチラシのスキャン画像、レオタードを着たジャン=クロード・ヴァン・ダムのGIF、とある会話の記録…。これらすべてに補償が必要なのか?もしそうでないのなら、なぜ音楽だけが特別なのか?

Googleをはじめとするサイトはすべてへのアクセスを提供している。音楽はすべての一部だ。特別ではない。音楽を愛する人にとっては別、というだけで、そういった人々が音楽を探し出そうとすることに対して、悪く言われるべきではない。それは我々が彼らに望むことじゃないか。すべてをパブリックドメインにしてはどうか、というあなたの提案は、もちろん自分が味わいたいブツじゃない。しかし、もし誰かが自分で作った音楽をシェアしようとしたって、私はまったく気に留めない。今のところは気に留めていない。

そもそも、オリジナルの作品を制作する者に対する限られた著作権には不満ないが、ASCAP2などの不透明な業界団体のぼったくり商法と併せて、その割当、無期限契約、彼らが生み出す文化の企業管理などには、もちろん腹が立っている。もちろんだ。それらは面と向かって非難されるべきだ。

私はこれまで音楽で生計を立ててきた。多くの物事が変化するのを目の当たりにしてきたし、その変化が、共に活動してきたミュージシャン・コミュニティの最終的な便益になったのはいつだったのかも自分は分かっていると思う。インターネット上で音楽が無料でやり取りされることでキャリアをスタートさせ、成長させてきたのも実際に見てきた。あなたのおっしゃっているような(主に怒りのこもった)意見も聞いてきた。しかしそれらは、バンドとオーディエンス間のよりオープンなコミュニケーションという実際的な結果よりも重要にはなり得ない。結果的に、良いことだと私は思う。自分だけでなく、オーディエンスと音楽文化にとっても良いことだ。


数日後、マーク・リボーは雑誌のインタビューという形でアルビニに反論します。

脚注

  1. ギリシャの都市。
  2. American Society of Composers Authors and Publishers: 全米音楽著作権協会。
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