アイザック・ブロック(モデスト・マウス)インタビュー (2004)


モデスト・マウスは1992年にワシントン州のイサクアで結成。結成時のメンバーは、アイザック・ブロック(ギター/ボーカル)、エリック・ジュディ(ベース)、ジェレマイア・グリーン(ドラム)。94年にKレコーズから『Blue Cadet-3, Do You Connect?』を発表。(現在これらの曲は初期のコンピレーション盤『Sad Sappy Sucker』で聴けます。)その後、シアトルのUpレコーズ1に移籍し、1996年にLP『This Is a Long Drive for Someone with Nothing to Think About』を発表。続く2nd LP『The Lonesome Crowded West』(1997年)、3rd LP『The Moon & Antarctica』(200年、エピック・レコード)は各方面で高く評価されます。『The Moon & Antarctica』収録の「Gravity Rides Everything」は日産自動車のTVCMに使用され、バンドは一気に知名度を上げます。

そして2004年発表の4th LP『Good News for People Who Love Bad News』でグラミー賞ノミネートの快挙を成し遂げます。今回は同アルバムを発表した日の翌日、4月7日にThe A.V. Clubが掲載したアイザック・ブロックのインタビュー訳です。原文記事はこちらから。ジェレマイアが脱退し、さらにはアイザックが逮捕されるなど、かなり散々な状況下でアルバムが制作されたことが伺えます。

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モデスト・マウスはその名の通り謙虚にそのキャリアをスタートするが、数年間の試行錯誤を経て、メンバーのアイザック・ブロック、エリック・ジュディ、ジェレマイア・グリーンは、奇妙かつ魅力的な爆音でアンダーグラウンドロックシーンの頂点へと登り詰めた。初期二枚のアルバム、1996年の『This Is a Long Drive for Someone with Nothing to Think About』、そしてヒットのきっかけとなった1997年の『The Lonesome Crowded West』において、ブロックのスマートでシニカルな詞は、神、酒、孤独というテーマを鋭い切り口で表現した。ファンは彼の言葉とバンドのボロボロで情熱的なサウンドに夢中になり、一方大手レーベルはこぞって次の小切手の準備をしていた。

大手レーベルの予算も相まって、2000年の『The Moon & Antarctica』でバンドは一気に知名度をあげるも、それによってバンドが変わってしまうことはなかった。今年(2004年)リマスターされリイシューとなった同アルバムは、インディー時代のアルバムに比べより奇妙で厚みのあるサウンドとなった。ブロックの「トラブル続き」のような外見を結晶化した躁鬱のダウナーで、世間に知れ渡った彼の悪夢についてもうっすらと言及されている。1999年、彼はレイプ容疑で告発され、彼の音楽同様、雑誌やゴシップで話題になった。(捜査報告書は提出されたものの、ブロックが正式に逮捕されることはなかった。)『The Moon & Antarctica』は、彼のサイドプロジェクトであるUgly Casanova同様、好調なセールスを記録した。しかしその期間、ブロックは見ず知らずの人間にあごを砕かれ、コマーシャル用の音楽ライセンスの件でファンをやきもきさせ、結成メンバーであるドラマーの脱退を経験し、新作の制作を開始早々ボツにした後、殺人未遂容疑で一週間半を留置所で過ごした。

これらはダークで陰気なニューアルバムの兆しにもなりえたが、バンドが既に危機を脱したことは明らかだ。熱烈な疑念とシニカルな考察は新作『Good News for People Who Love Bad News』でも健在。しかし今回彼らは「明るい面」において大胆な試みを示している。ブロックは先日The Onion A.V. Clubに、神と彼のバンドと法の裏側について語ってくれた。

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―今インタビューをたくさんしてるのかい?

インタビューは全然好きじゃないんだよな。質問ばっかりで俺は答えを持ってないし、内容は音楽業界のことばっかりで。俺は音楽作ってるけど、メジャーとインディーの違いとか細かいことはマジで全然どうでもいいんだよ。ハイ。チェックマーク付けて次の質問いっちゃって(笑)。

―ジェレマイア・グリーンがバンドを離れる前にアルバム制作を開始して、そこからまたやり直したわけだけど。タイムラインはどうなってるの?

俺はオレゴンの酷い田舎に住んでいて、他のみんなはシアトルに住んでたんだ。だからポートランドで部屋を借りてさ。ちょうど中間地点に。レコードが出来るまでの間そこにみんなで生活しようとしてたんだ。ただ精神的にもうボロボロになっちゃって、6カ月なんとかみんなで曲を書こうと頑張ったけど、ちっともできなかった。もうどうやったらいいのかさっぱりわからなかったよ。あるものだけでスタジオ入ってさ、とりあえず始めようって、それで二日後にジェレミーが抜けた2。結局当時やろうとしてたプロデューサーとは一緒にやらないことに決めて、持ってた曲は一部だけ残して、あとは全部捨てた。それから俺とエリックとダン(・ガルッチ、Modest Mouseの新ギタリスト兼キーボードプレイヤー)でアルバムの曲を一ヵ月くらいで作ってさ、マジで必死にやったよ。結果的に関わってくれた人みんなにとってもベストな形になった。

―ジェレミーの脱退が制作に弾みになったと思う?

バッドニュースのピークにまでいかなきゃいけなかったんだよ。自分たちが今どこに立っているのか見極めるためにも、全部を一回バラバラにしなきゃならなかった。だから、知ってる人と一緒にレコーディングするかわりに、国の反対側まで行って会ったことのない人物(プロデューサー)とレコーディングすることにしたんだ。

―「Float On」は詩的にも音楽的にも、今までより「アップ」な曲を作ろうという試みが見て取れるね。

それは完全に意識的にやったんだよ。クソみたいなことがずっと起こり続けていて、全てか真っ暗で、どっからでもバッドニュースがやってくるし、もう嫌気がさしてた。俺らの大統領こそが一日分のバッドニュースの摂取量だよな!そうすると科学者たちは良かれと思って「全部むちゃくちゃですよ」なんて言ってさ。一日でいいからいい気分になりたいんだよ。友達が死んじゃったり、ジェレミーもダウンしちゃったりさ…バンドを無茶苦茶にしたすべての真っ暗闇からなんとか抜け出した後で、ポジティブなレコードを作りたかったんだよ。レコードの1/4はポジティブに出来たと思う、残りは暗めか、もしくはもっとリラックスしてありのままでいる感じだね、諦めって感じで。

Modest Mouse – Float On (Video)

―新作の歌詞には神様もマッドマックスも出てくるけど、映画『パッション3』には興味あるのかな?

いやめっちゃ見たいんだよね!過去を舞台にした映画は好きだし、なんか残忍そうじゃん。俺は全然信心深い人間じゃないし、別になんも気にならないよ。一本の映画のせいで宗教の世界が無茶苦茶になったりはしないと思うし。そっちのがもう充分クレイジーだしね。

―今も自分は無神論者だと?

まあそうだろうね、でも考えさせられることはあるよ。たとえばその映画でジーザスを演じたヤツ(ジム・カヴィーゼル)が撮影中に雷に打たれたとかさ。そうなってくると、「いや、100%でたらめとも言えない」ってなるよ。自分の方針を変えるつもりはないけどね。そもそも自分の生活が間違っていると思ってないし。だから、俺の下に光が当たらなくなってから、さらに明るい光が挿して、髭もじゃの、もしくは真っ赤な染みを付けた男と話さなきゃならなくなっても、多分大丈夫だと思う。俺はキリストの信仰はほぼ100パー戯言だと思ってるけど、敬虔な人がいたって全然気にしないし。信じたいものを信じればいいんじゃない。自分の一日を楽にしてくれるものをさ。

―科学と神を引き合いに出す歌詞を書いてるよね。科学は神の代わり、もしくは付属物だと思う?その二つは君の中でどんな風にフィットするの?

俺は科学も信じないよ!存在すら疑うね(笑)。聖書に関することはちらほらと読み漁ったりはしてるけど。面白い読み物としてね。聖書なんかに関して俺が読んで分かったのは、サタンはスーパーチャーミングなヤツで、砂糖並にスイートなんだよ。もしサタンと出会ったら、ヤツは自分が神だと俺らに信じ込ませようとするんだ。ということは、もしヤツがやり手の嘘つきだったら神が悪魔にもなり得るわけだよ。サタンがやってきたことで恐ろしいことなんか別にないんじゃないかと思うよ。神はかなり酷いこと色々やらかしてきてるけどね。でもさ、科学はさ、科学は最高だね。大好きだよ。あわよくば俺らを救ってくれるだろうね。

―でも、同時にそれが人々を滅ぼすかもしれないっていう意見を君は持ってるようにも見えるけど?

どちらもあり得るよ。それって基本的に善かれ悪かれじゃない。科学が物事を無茶苦茶にしたら、科学がそれを直すわけだよ。レコードに入ってる「The View」って曲は大体そんなようなことを歌ってる。「俺らは今立っている場所に捕らわれている」的な歌詞だよ。善い行いをしたらそこから悪いことが起こって、その逆も然りでさ。コンピューターなんかがいい例だよ。コンピューターのお陰で時間短縮が出来るけど、そのためにかなり無駄な時間を過ごしちゃってるし。誰かが俺にバイアグラを売りつけたがってんだよ。どうやって俺の番号を知ったのかしらないけどさ。それにどうやら俺の〇〇〇はめっちゃ小さいらしいし。噂によるとね。え?〇〇〇増大?10フィートに?欲しいかも。パーティグッズとして。

―政治に関しては意見があるほう?歌詞からはあまりそういったことは読み取れないけど。

政治に関する歌詞を書いたことはないと思うよ。だってすぐ古くなるじゃない。自分の視点って、普通は時間の経過を超越したもっと普遍的なものになり得るはずだし。「ブッシュは嘘つきのクソ野郎だ」とかって曲は書かないね。俺が書く必要ないと思う。みんなもう分かってるじゃん。

―では君のことについて、もうちょっと聞いてみよう。

ちょっとさ、俺自分のことを語るのがマジで嫌なんだよ。俺って大事な人間だから。「ワタシについて話シマショ!!」(恐らく女の子っぽく話している)

―歌詞は日常的に書き留めているの?それとも必要になったら座って絞り出すタイプ?

常日頃から孫たちのために自分がどうやって人生を棒に振ったかっていうスピーチは書き留めてます、なんてね。あんまり日常的に書いたりはしないね。なぜかというと誰かが同じ家にいると音楽かけられないからさ。彼女と一緒に住んでるんだけど、ほとんど、多分あなたもご存知だと思うんですが「テレビ」というものをしょっちゅう観ています。あれは素晴らしいですね。

歌詞を書くときはあっという間だよ。演奏しながらなんとなく一緒に歌って、広げられそうなフレーズを見つけたら、座って書いちゃうから。だから歌詞を書くときは、商売を気にするね!

―あまり言われないだろうけど、自分はユーモアのセンスがある曲作りをしていると思う?

そう思うよ。全体を通してかなり乾いた笑いが入ってるね。「暗い、重い」ってよく言われるけど、なんかちょっとおかしな感じがするね。だって俺はそんなに暗いヤツじゃないから。

―「The Good Times Are Killing Me」について、それから、それがバンドの「やり放題」な評判についてどんな風に影響を与えたか、聞いていいかい?

ドラッグの乱用がかなりあってね。実際に曲にしたのは、エクスタシーと大麻と酒のことだけだけど。LSDとコカインについてはさすがに書けないよ。自分がどれだけドラッグをやってきたかって、後悔してるんだ。いい考えだと思った時もあったんだけどさ、多分違ったんだろうね。特に吸入剤とかそういうのはさ。多分やる前は俺はもうちょっと明るかったと思う。吸入剤と覚せい剤の二つは多分俺の脳内細胞を完全にぶっ壊した原因。

―でも一時は、なんでもやっちゃおうと思ってたんだよね?

そうだね。今となっちゃそれと戦っている自分がいてさ。周りにあったりすると「NO」となかなか言えないんだよ。だから、それらが周りにないように、自分がその周りにいないように、気を付けてるよ。

―バンドのライブの評判ははっきり二つにわかれてたね。マジですごいっていう人と、酔っぱらってめちゃくちゃだったっていう人と。

演奏する前にどれだけ飲めるかっていうのがあって。ただある時、観客はお金払ってショーを見に来てるんだってことに気付いたんだよね。酔っぱらった俺を見に来るんじゃなくて。時間とエナジーとお金を集めて俺らの演奏を見に来てくれるわけだから、酔っぱらった男を見なきゃいけないなんておかしいよな。ビール買って友達が酔っぱらってるとこ見るんならもっと安く済むさ。

―自分の曲をコマーシャル用にライセンス提供するのはタフな決断だった?

家賃を払う方法を見つけるのはそんなにタフな決断でもないよ。ビールのCMと靴のCMに俺らの曲が使われてる時「これって俺妥協してるのかな?」って考えたんだけど。そうでもないと思うんだよね。我が家に電気がずっとついてるのはいいもんだよ。音楽で飯を食う必要のないヤツらは俺のやり方に文句言っていいよ。親の金使ったりバカのために皿洗ったりしながらね。みんな自分の主義を維持するよりも、他人の主義にケチつけたりするほうがずっとうまいんだよ。俺がビールのCMをやった理由は「ミラー飲むのが好きだから」だね!ビールが本当に好きなんだよ。多分飲み過ぎだろうけど。ビール一生分もらえるのを期待してたんだけど、多分あのバカでかい小切手で買わなきゃいけないんだろうね(笑)。

―アグリー・カサノヴァの感じが『Good News…』にもかなり出てるように見えるけど。

全体的にそうだと思うよ。最終的にはそっちに向かってるから。モデスト・マウスのレコードに入る運命だったんだろうね。ある時から「これはモデスト・マウス」「これはアグリー・カサノヴァ」って分けて曲作りすることもなくなった。モデスト・マウスのサウンドに拘ってない人は気に入ってくれてるね。他のメンバー抜きで俺一人でモデスト・マウスのサウンドをやってくれると期待してた人はがっかりしてるみたいだけど、別にどうでもいいし。ずっといい経験だったよ。ただ一方でアグリー・カサノヴァのツアーはあんまりいい経験じゃなかったけど。でもレコード作りは最高だったね。いい思い出だよ。

Ugly Casanova – Barnacles

―ツアーで何があったの?

留置所にしばらく入れられたんだよ。あれがなかったらどんなによかったか。ちょっと前に飲酒事故に遭っちゃってね。弁護士雇って依頼料も払ってさ、彼は任せろって言ってたんだけど。一年後に友達とナイアガラの滝まで行って、いい景色で見たかったから(カナダとの)国境を渡ったんだよ。それでアメリカ側に戻った時に殺人未遂、逃亡、飲酒事故、その他諸々で逮捕された。飲酒事故が起こった時、俺の友達の彼女が親指を脱臼しちゃったんだよ。オレゴン州では飲酒に関する事故で起こったどんな怪我も殺人未遂になるんだよ。留置所に入れられて、どこ行くにも手錠足錠付きだよ。マジで狂ってた。

―どのくらい入れられてたんだい?

一週間半くらいかな。

―それだけ?

さっきの弁護士に連絡したけど何にもしてくれなかった。毎日毎日ずっとそこに座ってさ。いつだって、ツアーで一緒に演奏するメンバーとローディのみんなに俺は給料を払わなきゃいけないんだよ。結局留置所から出るためだけに15,000ドル払って弁護士雇ったよ。そうじゃないとそれだけ損することになるから。だからミスター肝っ玉を雇ったわけだよ。彼はちゃんと公平にやってくれた。

―起訴は取り下げられたのかい?

ほとんどはね。おかしいのはさ、この飲酒事故は酒を飲んでないヤツが起こしたんだよ。俺はその日2杯飲んだだけなのに、飲酒テストしたら血中アルコール濃度が0.16%とかいう完全に狂った数字がでた。ただ友達が指を痛めてたからそれがすごく心配でさ、「何でもいいから彼女病院に連れてってくれ。俺をしょっぴいていいから」って。

―留置所にいる間はどうしてたの?

最初は俺のランチを取ろうとしてくるヤツらがいたりして、だからそいつらに「嫌だよ、俺に近づくんじゃねえよ!」って言ってさ。それが効いたね。白人のギャングスタたちは面白かったよ。待機房にヤツら3人と一緒にいて、どうやってサツから逃げたかっていうマジでサグな話をしてきてさ。俺なんか、「お前らちょっと静かにできねーの?留置所だぞここ。つーことはサツから逃げるのもたいしてうまくないってことじゃねーの。」とかすげーつまんないこと言っちゃってさ。留置所の人間から渡されるユニフォームがあるんだけど、それを着てるヤツが「よっしゃ!俺の新しいクラブユニフォームだ!」とかぬかすから、「バカ野郎。俺がここから出てくまで話すな。つまんねーんだよ!」つって。

あと最高なことがあって。ヤツらの中の一人で、小奇麗でやばいヤツが俺と同じ棟にいたんだけど、そいつ電話で「パパ!保釈してよ!」とか言っててさ。あれはヤバかった。ほとんどは、俺は静かにしてたよ。40代後半の気味悪い、いかにも子供にいたずらしてそうなヤツがいてさ、そいつはずっと俺のこと狙ってるって言ってた。座ってヤツとチェスしてたんだけど、気持ち悪いことばっか言ってくるんだよ。だから俺は「はいOK、もうゲーム終わり」って。

―自分の子どもに伝えられる話だね。

子どもが悪いことした時は話さなきゃだめだろうね(笑)。それ以外は、ほんと最悪だったけど、毎日ボコボコにされるとかじゃなかったから。とにかく誰とも関わらないようにしてたよ、色んな理由で。独房に入れられるってのは、マジでクソだよ。ヤツらはダブルロックの厳重な警備の中に俺を入れたからさ、まじで最高に面倒くさいよ。あれ以上につまんないことはないね。カートゥーンネットワークで『ウィッチハンターロビン』っていう日本のアニメがやってんだけどさ、あれ並みにつまんないよ。留置所出てからは道路整備の仕事を二週間ぐらいすることになった。

―それはどんな感じだったの?

そんなに悪くなかったよ。マジで無知なヤツらはちょっとあれだったけど。オレゴンで木を伐採しながら運転してた時、同僚の一人が「老木だって?ふざけんじゃないよ。老木がどういうもんか知ってるか?誰かの上か、誰かの車の上にぶっ倒れるのをただ待っているだけの老いぼれの死んでる木だ。俺の友達は木に殺されたんだよ!木は10フィートより高くすべきじゃない!」って。だから彼に聞いたんだよ。「その友人はどうやって木に殺されたんだい?木が道路に倒れて彼は下敷きになったのかい?」ってね。

ある時、俺たちはサッカー場くらいの広さがあるブラックベリーのなってるエリアを、なたを持って掃除してたんだけど、ポイズンアイビー4を見つけたんだよ。俺らは指差してさ、そしたらサツが「よし、切れ。取り除け。」って。だから切ったんだよ。そしたら軍手もベストもポイズンアイビーまみれになるよね。そしたらどうなるかっていうと、体中かぶれるんだよ。股間まわりも全部だよ!切りに行くたびにそれまみれになるから、ずっとかぶれっぱなしだよ。

―シカゴであご砕かれたって話はどんななの?

俺らは『The Moon & Antarctica』をレコーディングしたクラヴァ・スタジオの上に住んでたんだけど、ある時バーに行ったんだよね。それからアパートに車で戻ってきて、その斜め向かいに駐車場があるんだけど、キッズたちはそこでたむろしてるんだよ。それで部屋に戻る前に外で一服しようと思って。俺ってフレンドリーな酔っ払いだからさ、そのキッズたちとちょっと話すかと思って。「よ、どんな感じ?」ってさ。そっから話を続ける間もなく横から男がやってきて思いっきりぶん殴られて、あご砕かれた。14人もそういうやつらがいて。あいつら俺らの犬を追いかけてきてさ、ビンを投げてくるわ、まだ殴ってくるわで。でも他人には一切手出ししないんだよ。こういうことが起こるたびに考えさせられるんだけど、多分俺は何かそういう目に見えない力の上で、でたらめばっかり言ってるんだよな。そうじゃないと、一発目のパンチのあとヤツらが外しまくってる理由がみあたらない。振り返って「お前あご砕きやがったな!」って言ったら、あいつら「ファッキューカウボーイ!」って言ってたの覚えてるよ。

―よくトラブルに巻き込まれるほうだと思うかい?

以前はね。今はそうでもないよ。気の持ちようだと思うんだよね。酷いことは起こると思ったら起こる。俺が実践してるポジティブ・シンキング・パワーだよ。何に対してもポジティブに考えようとしてるわけ。わかる?すべてに対して悲観的になってるのは嫌だよね。

―1999年のレイプ疑惑について聞いてもいいかな?

十分な証拠もなく申し立てられてさ、取り下げられたけど。もちろん報道されなかった。完全にでたらめだよ。状況が複雑すぎて詳しく説明も出来ないんだけど。一時、もう黙ってこのお嬢さんにロープ渡して首吊ってもらうしかないとも思ったよ。本当に。そのせいで俺の人生も一回無茶苦茶にされてるからね。もうそのまま流したいよ。

―(シアトルの隔週誌)ザ・ストレンジャーがかなり取り上げたのも、君がマスコミに対して警戒心を強めたきっかけになったんだろうね。

これが起こる前は、そんな嘘をつく人がいるなんて思ってもみなかったから。それは以前の俺のスタンスね。誰もそんな嘘つかないだろうと。これがきっかけで、自分の人に対する考え方、人の社会の見方、自分の社会の見方を本当に見直さなきゃいけなくなった。前は「犯罪者はやっちまえ!」って感じだったけど。それが突然なんの証拠もない申し立てを食らうわけだよ。女の子とそういう状況になったってヤツを、女の方が「あいつマジでダメだわ、もう一生話さない」とかって見捨てたのをよく覚えてるんだけどさ。なんもしてないのにそんな風になるってのは変な話だよ。俺の友達がその女と知り合いで、最近言ってたらしいんだけど、自分が言ったことすべて取り下げるって言てったらしい。この半年くらいで知ったんだよ。サツも含めて全員「こんなのでたらめだろ」って思ってたのは知ってたんだけどさ。この女は話してる相手によって話す内容をコロコロ変えてたんだよ。マジで狂ってるし、意味わかんないよ。

―それによって自分の知名度の高さを考えさせられたりした?君がModest Mouseじゃなかったら、そういうことにもなってなかったんじゃないのかな。

そんなことよりずっと腹立つことがあってさ、裏切った友達がいたんだよ。ダンって、今のバンドのメンバーだけど、俺と口きかなくなったんだから。まあ同じ状況なら俺もきっと同じことしてたかもしれないけど。誤解なんだけどさ。レイプ疑惑の中で「そんなのでたらめだ」とか言ったりさ、そんな風にはなりたくないよな。

―モデスト・マウスの音楽を知らなくても、そっちの方はみんな知ってるって感じになっちゃってるよね。それに君もはっきりと否定したりしてこなかったじゃない。

事の顛末を知ってる人が二人だけいるから、それで俺はよかったんだよね。このことについてあんまり話さなかったのも、話したところで証明できるものがないから。信用したければしてもいいし、無理なら無理だし。その女とはいつも話したいと思ってるんだけどね。今どこにいるか知りたいから。別に怒ってるわけじゃないんだよ。彼女も若かったし、まじでバカバカしい出来事だったから。推測はいいから、事実を記事にしてほしいよ。なに、もう5年くらい経ってるでしょ?未だに俺の生活に影響あるんだから。これまで俺とデートした子たちは、誰かしらがその話を引っ張り出してきて、「この男と何してたんだよ?」って言ってくるたびに、いちいち説明しなきゃならないんだよ。みんなそういう酷いネタ好きだろ。後日談は誰も興味ないんだよ。その女が全部取り下げたって話だって、俺も人づてに聞いたんだから。記事にするべき内容であると俺は思うんだけど。

―(レコードデビューから)もう10年になるけど、10年後もモデスト・マウスを続けてると思う?

だと思うよ。この10年あっという間に流れてったんだから。

―今後も曲作りを一生続けていくのか、それともいずれ止めてしまうのか。どっちだと思う?

続けていけたらいいと思うけど、でも止めたとしても自分に腹立ったりしないよ。他にやりたいこともあるし。もしもう曲作りをしたい気分じゃなくなったら、降りるだろうね。酷い、誠実じゃない音楽が世の中にはたくさんあるけど。俺がそれに貢献する必要はないよね。


脚注

  1. 764-Hero、Built to Spill、Quasi、Tadなどが所属。
  2. 2004年7月に復帰。
  3. イエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描いた、メル・ギブソン監督の問題作(2004年)。あまりにリアルな拷問描写に観ていた女性が心臓発作で死亡する事故が起きている。
  4. 北米に広く分布しているツタウルシの一種。触ると肌がかぶれる。
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